★このページは2011年5月にYLホーンとの出会いとその奮戦記のお話です★
●2011年5月に私の甥から知り合いの古い家を片づけているが、大きな古いオーディオが邪魔で困っている。回収業者やリサイクル業者に聞いたら、そんなに長い間電源も入れていなくて動作確認もできていないものを取りに行くと、出張料と産業廃棄物料金など高額な請求になるといわれ、元オーディオ店の私になんとか処分してほしいと連絡してきたのです。こちらもどんなものなのか確認しないと返事ができないので、とりあえず見に行きました。
家主さんが引っ越して長い間電気も止まっていたので、かなりかび臭いお家でしたが、とても広い応接室に横幅6〜7mの場所を取っている木製の箱が4個あり、どうもこれがスピーカーのようなのです。ネットが固定してあるので中は見えません。後ろを見ようと動かそうとしましたが、ピクリともしないぐらい重いのです。もちろんメーカーなど不明で、二人で行きましたがこの重量ではどうしようもないとあきらめました。他にも古いアンプやオープンデッキなどがありましたのでそれらを積み込み知り合いの廃品回収業者にでも頼もうと思いました。埃がすごい状態でしたが軽トラに積んで、2人では動かないスピーカーはお断りして、他は片づけてあげました。持ち帰ったアンプは動作するものもあったので、それは残しあとは処分しましたが、どうしても先ほど見たスピーカーの中身が知りたくて仕方ありません。もう一度翌日行くことにし、工具を使ってボックスを開けてみました。動かないはずです、大きな箱の中に鉄の塊のような大きなラッパが3組取り付けてあるのです。自分も見たことがないホーンスピーカーだったのです。ただ、湿気が多くて錆びのにおいと吸音材のちょっと酸っぱいにおいがたまりません。このままではどうしようもないので、ひとつずつ取り外すことにしました。なんと木ねじはマイナスです。たくさんのマイナスねじを外すだけでかなりの時間がかかりましたがなんとか終わり、壊さないようにバラバラに積み込みました。この量だと軽トラで3回往復しないと無理。結局半日がかりで運び出しました。
さて我が家に持ち帰ったものの、どこに置く?下の写真に倉庫の中のホーンがありますが、場所を取って仕方がない。大きなスピーカーボックスは外に出し、これらをどうするか考えました。最初にこれはどこのメーカー?「YL」確か国産だったよね。元オーディオ屋さんでもホーンなど販売経験がありません。型名から検索してヤフオクなど、少しは出てきましたがなかなか詳細がわかりません。同じものがなくスペックが不明だったのです。
しかし、持ち帰ったものの中にノーブランドのチャンネルデバイダらしきものとその底面に手書きのメモが貼り付けてありました。ホーンとドライバの型名と周波数帯域が書かれてあったのです。そうか、これはマルチアンプで使っていたんだ。クロスオーバーネットワークも転がっていたのですが、これは超高域のみに使用したんだと推測。これは面白そう!このパッシブ型のチャンネルデバイダを使っていつか接続して実験をしようと思ったのです。
あと、あの大きな木製の箱、これにはONKYOの40cmウーファーが1個入っていましたが、外観もひどいし中の吸音材の臭い?カビのような恐ろしくたまらない臭いがしました。これだけは絶対ダメですと家内は家の中に入れることを許してくれず、仕方なく長期計画で改造することにしました。以下の写真が木工事で改造し、内部の吸音材を剥がして新しい吸音材を入れているところです。約3ヶ月以上かかったと思います。                        〜以下に続く。

 ★YLホーンスーパーツイーターD−18000 ★ ★ONKYOのクロスオーバーネットワーク★ 
 ★YLドライバD−35000とホーンHS350 ★ ★YLドライバ D-55000とミッドレンジホーンMB90 ★ 
  ★ONKYO 40cmウーファー W−3810A★  ★ONKYO 40cmウーファー W−3810A ★
 ●これらのホーンやスピーカーは長い間、箱の中に収められていたので、ほとんど痛んでいませんでした。ウーファーのエッジが少し劣化してきていますが、ダブルエッジ構造で、表面の部分だけが痛んでいて、内側はしっかりしています。
●とりあえずホーンスピーカーなどは埃を落として動作確認のためリビングに移動。下のように低音部はハーベスのスピーカーに担当させて、マルチで音が出るか実験です。
 ★ウーファー以外を部屋に入れました。低音部は既存の
ハーベスのスピーカーを代用して持たせています★
 ★すべてのスピーカーは無事音が出ました。ただ調整
ができていないのでバランスの悪い変な音でした★
 ★右後ろがこのシステムの暫定的低音担当
ハーベスのスピーカーです。とりあえずよく出ます!★
★低音から超高音まで4つのアンプをつなぎました。
真中のアンプの左側にパッシブチャンデバがあります★
 
 ★ホーンスピーカーはどうしても場所を取ります。
8畳のリビングがこれらの機材で半分占有されました★
 ★YLドライバD−35000とホーンHS350★
 ●とりあえず音が出るのが確認できたので、次に難題のウーファーのエンクロージャー(ボックス)の大改造です。悪臭を放つ吸音材の撤去から始めましたがこれがまた大変!吸音材を釘のようなもので内側の壁に打ち込んであり、錆びているものもあるので、毎日少しづつマスクをして剥がさなければなりませんでした。古い吸音材はゴミ袋5〜6個できました。
●次に今度は外装の痛んだところの補修とバッフル板(正面の板)の補修です。それとバスレフのポートもかなりいい加減な作りだったので、すべてやり替えることにしました。また大きな箱の割に補強の柱が入っていなかったので、これも加え裏板の密閉も完ぺきにやり替えました。
 ★スピーカーエンクロージャー改造・・・バッフル板の
不要な穴をふざぎました。ユキちゃんの犬小屋かな?★
 ★吸音材が全然足りない!もっと厚手の材料が必要★
 
 ★隙間など音がビビったら大変!隙間にボンドを入れて
しばらく放置。時間がかかります。★
★もう一枚バッフル板の表面にベニヤ板を張り、きれいに
仕上げます。バスレフポートも完成!★
  
 ★びっしりと吸音材を張り巡らせました。箱鳴りを抑える
ために横と前後に柱を入れました★
★スピーカーの穴を開けバッフル板の塗装も完成★ 
 ★横置きのため袴を取り付け、ウーファーも入れてました★  ★やっとリビングに入れる許可をもらいました!★ 
 ●こうやってリビングに設置できましたが、これらのウーファーボックスとホーンがでかすぎで、あの当時高価だったパイオニアの60型プラズマテレビの両サイドが隠れて、やはりまだ不評は続いていました。
●これから以降つい最近まで、アンプが故障してしまったり、一番不満だったチャンネルデバイダを新しくしても、機能だけはよさそうだけれど、音質とノイズがひどくて、音楽をゆっくり聴くことなどできずに、毎晩、何度もつなぎ換えてはうまくいかず、ほんとにストレスがたまる試行錯誤の日々でした。
●そんな時、ヤフオクで見つけた、宮城県石巻市の「Yusa Audio Project 」YAPさんと出会い、あの「GICフィルター式チャンネルデバイダー」を手に入れることができました。それから先は本当に悩みが嘘のようになくなり、快適なオーディオを楽しめるようになりました。そんな平和なオーディオ生活を楽しんでいるときに、またさらに我が家のオーディオを革命的に変化させる悪魔のささやきがあったのです。
●TAD
との出会い!・・・当店は創業以来オーディオメーカーのパイオニアとは取引があり、創業以前から高級オーディオの「EXCLUSIVEブランド」も取り扱いが有ったので、TADブランドができた30年以上前からスピーカーの販売もしていました。しかし現在では、家電中心のお店に変えてしまったので、TADとの取引は皆無でした。
そんな時、当時のパイオニアの担当者でもあり、当教室のハウスバンドのパーカッション担当、また当店の創業当時からのアルバイトもしてくれてたり、さらにお客でもあった「原賀啓文君」(現在はパイオニアを退職)から連絡がありました。「来週福岡のあるお店のオーディオイベントがあるので、TADから新しいCDプレーヤーのサンプルが送られてきました。福岡営業所では出展前に試聴できないので、我が家のオーディオにつないで聴かせてくれませんか?」と言うのです。もちろん私としては大喜びで快諾して、ついでに今晩飲もうということになりました。彼が持ってきたのは物々しいジュラルミンの箱に厳重に保管された物。二人でもかなり重たかったのですがリビングに入れて開梱。まずビールで乾杯して、電源を入れました。「えっ?何これ?何でこんな音になるの?」いつも聴いているお気に入りのCD「ケニードリューのファンタジア」がまるで別物。また福岡のアクロスに、フィラデルフィア金管楽器のコンサートチケットを頂いたので聴きに行って、感動して買ってきたCDが・・・、その時はやはりアクロスのコンサートホールとは残念ながら全く違うねと思ってた、そのCDがあの時と同じように聴こえるのです。金管楽器のあのバリッとした張りのある音が出るのです!つい「これいくらすると?」彼に聞きましたら「えーっと確か160万円だったかな?」なんととんでもない金額!もちろん論外です。「ハハハッ・・・」と笑いながらまた飲みました。「ひどい代物を持ってくるね。これから先今のCDプレーヤー使えんようになった」。オーディオは一度良いものを聴いてしまうと、普段は物忘れがひどいのに、これだけは不思議と忘れられなくなるのです。頭の中を支払のことや、きっと奥さんは飛び上がるだろうねとか、飲んでいても上の空になってしまいました。「良平さん、イベントは来週ですからまだ置いていきますので聴いてていいですよ」またこんな悪魔のささやきを残して彼は帰っていきました。
●皆さんご想像通り、そのCDプレーヤーは今我が家のオーディオの中心人物になって、リビングに鎮座しています。そしてそののちさらに良いものとの出会いが、先ほどの宮城県のYAPさんからオーダーメイドで作ってもらったプリアンプなのです。
これ以上何か必要なものはもう無いよね?自分ではそう思って、我が家のオーディオ完成だ!とみんなに自慢していました。しかし今回またTADのパワーアンプが我が家に2週間ほど滞在します。でもこれは残念ながら長期滞在は困難です。できるだけたくさんの方にお聴かせできればと、お誘いしているところです。(2016年5月18日現在)
 ★これが「GICフィルター式チャンネルデバイダー」と
と「フラットバッファアンプ〜RK501搭載」です★
 ★これは現在のウーファーです。TAD−1601a★
 ★TADのCDプレーヤーTAD-D1000MkIIです!今はCDを聴くことより、ハイレゾの音源をネットでダウンロード購入して
聴くことが多くなりました。以前持っていたCDと同じアルバムをハイレゾで購入して比較試聴もしてみました。圧倒的に
超低音が再生でき、ウッドベースのうなり感、エレベのブンブン感、ピアノの激しいタッチの音の切れが素晴らしく丸く
なることもなく、トランジェント(過渡特性)の良さはCDやレコードでは聴くことができません。
古き良き時代のオーディオと最新の技術のオーディオをお聴かせすることができるAUDIO ROOMにぜひお越し
ください!
 ★というわけで我が家のオーディオ奮戦記は終わりです。ご興味がおありの方はぜひお知らせください。大歓迎です!
このページは2016年5月18日作成です。